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IoTセキュリティとは|リスク管理と安全な通信環境の構築方法を解説

IoTセキュリティとは|リスク管理と安全な通信環境の構築方法を解説

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急速なDX推進によりIoT機器の普及が進む一方で、サイバー攻撃のリスクも高まっています。本記事では、企業が把握すべきIoT特有のセキュリティリスクや、総務省のガイドラインに基づく具体的な対策について解説します。デバイスの脆弱性管理から閉域網SIMを活用したネットワーク構築まで、安全な運用体制を整えるためのポイントを紹介します。

目次

IoTセキュリティがビジネスにおいて重要視される背景

デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、製造業、物流、医療、インフラなど、あらゆる産業分野でIoT機器の導入が加速しています。総務省の「情報通信白書」によれば、世界のIoTデバイス数は数百億台規模に達すると予測されており、これらがインターネットに接続されることで、業務効率化や新たな付加価値が生み出されています。

しかし、接続機器の急増は、同時にサイバー攻撃の対象となる「攻撃対象領域(アタックサーフェス)」の拡大を意味します。IoT機器は従来のPCやサーバーと比較してセキュリティ対策が後回しにされがちであり、攻撃者にとって格好の標的となっているのが現状です。

IoT機器を標的としたサイバー攻撃の増加

IoT機器を狙ったサイバー攻撃は年々増加傾向にあります。NICT(情報通信研究機構)の観測レポートにおいても、サイバー攻撃関連通信の相当数がIoT機器に関連するものであることが報告されています。攻撃者は、セキュリティ対策が脆弱なWebカメラ、ルーター、センサーなどを探索し、不正アクセスを試みます。

従来のITセキュリティとIoTセキュリティの違い

IoTセキュリティが難しいとされる理由の一つに、従来のIT機器との特性の違いが挙げられます。

リソースの制約: 多くのIoT機器はCPU性能やメモリ容量が低く、PC向けの高機能なセキュリティソフトを導入できない場合が多い。

 ・ライフサイクルの長さ: 一度設置されると10年以上の長期間稼働することが多く、その間にOSやファームウェアが陳腐化しやすい。 

管理の難しさ: 遠隔地や高所、工場内などに分散して設置されるため、物理的なメンテナンスやアップデート作業が容易ではない。

これらの特性を理解した上で、IoT専用の対策を講じることが不可欠です。

IoT導入企業が直面する主なセキュリティリスク

企業がIoTを導入する際、具体的にどのようなリスクが存在するのかを整理します。

情報漏洩とプライバシーの侵害

IoT機器が収集するデータには、工場の稼働データ、顧客の位置情報、カメラの映像、ヘルスケアデータなど、機密性の高い情報が含まれます。通信経路の暗号化不足やデバイス認証の不備があると、これらのデータが盗聴・窃取されるリスクがあります。

踏み台(ボットネット)としての悪用

自身のIoT機器がマルウェアに感染し、攻撃者の遠隔操作によって「ボットネット(攻撃用ネットワーク)」の一部として組み込まれるケースです。自社の業務に直接的な被害がなくとも、他社や公的機関へのサイバー攻撃(DDoS攻撃など)の「加害者」となってしまうリスクがあります。これは企業の社会的信用を大きく失墜させる要因となります。

物理的な制御不能による業務停止リスク

IoTは現実世界の制御(OT領域)と密接に関わっています。例えば、工場のライン制御、空調管理、自動運転車などがサイバー攻撃を受けると、物理的な動作が停止・暴走する恐れがあります。これは単なるデータの損失にとどまらず、人命や社会インフラに関わる重大な事故につながる可能性があります。

IoTセキュリティ対策の基本 

難しい対策を行わなくても、まずは以下の「基本的な対策」を徹底するだけで、リスクは大幅に低減できます。

 1. 初期パスワードは必ず変更する 

最も簡単で、かつ最も重要な対策です。出荷時のパスワードをそのまま使い続けることは、泥棒に「鍵は開いています」と伝えているようなものです。 導入時には必ず推測されにくい複雑なパスワードに変更してください。可能であれば、ID・パスワードだけでなく、スマホ認証などを組み合わせた「多要素認証」を採用するのが理想です。

2. 常に最新の状態にアップデートする(脆弱性対策) PCのWindows Updateと同様に、IoT機器も中のソフトウェア(ファームウェア)を更新し、セキュリティの穴(脆弱性)を塞ぐ必要があります。 しかし、数千台の機器を手動で更新するのは現実的ではありません。

3.ネットワーク経由で自動更新できる機能(OTA)がある機器を選ぶ

ベンダーのサポート期間(更新プログラムが提供される期間)を確認してから購入する といった、導入前の製品選びと運用ルールの策定が重要です。

4. インターネットに直接つながない 

そもそも、「不特定多数がアクセスできるインターネット」にIoT機器をさらさないことが最強の防御策です。必要な通信だけを通す設定にする、あるいは後述する「閉域網」を利用するなどして、攻撃者が到達できないネットワーク環境を構築しましょう。

閉域網(VPN/専用線)で「隔離」する 

IoT機器を公衆のインターネット回線に直接つなぐと、常に世界中からの攻撃リスクにさらされます。そこで有効なのが、通信事業者が提供する「閉域網(プライベートネットワーク)」の利用です。これはインターネットから隔離された、契約者専用の通信トンネルのようなものです。外部からの侵入経路を根本から遮断できるため、デバイス側のセキュリティ機能が低くても、システム全体の安全性を飛躍的に高めることができます。

閉域網について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください

閉域網とは何か?VPN・専用線との違い・使い分けを徹底解説|IoTBiz

セキュアなIoT SIMの活用メリット

近年では、閉域網接続に対応した「IoT SIM」が多くの事業者から提供されています。これらのSIMを利用するメリットは以下の通りです。

インターネット非経由:SIMを挿入するだけで閉域網に接続でき、複雑なVPN設定なしでセキュアな通信が可能。 

IMEIロック機能:特定のデバイス(IMEI番号)以外では通信できないように制限し、SIMの盗難・不正利用を防止。

 ・管理コンソールによる監視: 通信状況をリアルタイムで監視し、異常なトラフィックが発生した際に即座に通信を停止できる。

国内外で発生したIoTセキュリティインシデントの事例

対策の重要性を理解するために、実際に発生したIoT関連のセキュリティインシデント事例を紹介します。

事例1:マルウェア「Mirai」による大規模DDoS攻撃

2016年、マルウェア「Mirai」に感染した数十万台ものIoT機器(Webカメラやルーターなど)がボットネット化し、特定のDNSサービスプロバイダに対して大規模なDDoS攻撃を行いました。これにより、大手SNSや動画配信サービスなどが数時間にわたり利用不能になるなど、世界的な影響が出ました。原因の多くは、初期設定のID・パスワードが変更されていなかったことでした。

 防ぐための対策方法

  • デフォルトパスワードの変更: 感染の最大の原因は、出荷時の「admin/password」等のまま使用されていたことでした。導入時に必ず独自のパスワードに変更することで防げました。
  • 不要なポートの閉鎖: 外部から侵入するための通信窓口(Telnet等のポート)を塞ぐ、またはインターネットに直接公開しない設定が必要でした。

(参考)https://www.saxa.co.jp/saxa-dx_navi/keyword/key0055-n003/

事例2:ネットワークカメラの映像流出とプライバシー侵害

店舗や家庭、オフィスなどに設置されたネットワークカメラの映像が、インターネット上の特定のサイトで無防備に公開されていた事例です。パスワードが設定されていない、あるいは簡易なパスワードのまま運用されていたカメラが探索され、プライバシーや企業秘密が誰でも閲覧可能な状態となっていました。

 防ぐための対策方法

  • 推測されにくいパスワード設定: 「1234」などの単純なものではなく、複雑なパスワードを設定する。
  • アクセス制限: インターネット全体に公開せず、特定のIPアドレスからのみ接続できるようにする、あるいは後述の「閉域網」を利用して外部から見えないようにする。

(参考)https://www.youtube.com/watch?v=IO_m7D9Wxo8

事例3:工場内のIoT機器経由でのランサムウェア感染

ある製造業の工場において、IoTゲートウェイ機器の脆弱性が突かれ、そこを入り口として工場内ネットワークにランサムウェアが侵入しました。結果として生産管理システムが暗号化され、工場の操業が数日間にわたり停止し、甚大な経済的損失が発生しました。IT系ネットワークとOT系(制御)ネットワークの分離が不十分だったことも被害拡大の要因とされています。

 防ぐための対策方法

  • ネットワークの分離(セグメンテーション): 情報系(オフィス)と制御系(工場)のネットワークをしっかり分け、片方が感染してももう片方に広がらない設計にする。
  • 脆弱性の解消: ゲートウェイ機器などのOSやファームウェアを最新の状態にアップデートしておく。
  • 持ち込み機器の管理: 外部業者のPCやUSBメモリ経由での感染を防ぐため、接続ルールを徹底する。

(参考)https://fapc.jp/column/manufacturing-pc-failure-cases.php

監視カメラの安定運用に特化した「IoT Biz」の上り大容量SIM

IoTセキュリティにおいて、監視カメラやセンサーからのデータを途切れさせずにクラウドへ送信することは、リアルタイムな状況把握とインシデント対応のために極めて重要です。しかし、一般的なスマートフォン向けの格安SIMでは、下り(ダウンロード)通信に比重が置かれているため、上り(アップロード)通信しかほとんど必要としないIoT製品にとっては割高な通信料金を支払うことになります。IoT製品にはIoT向けのSIMの使用がおすすめです。

DXHUB株式会社が提供する法人向け通信サービス「IoT Biz」では、こうした課題を解決する「カメラ向け上り大容量 IoT SIM」を展開しています。

<特徴>

1. 多彩なSIMカードプラン

DXHUBは、高品質な自社のドコモ網回線を中心に、さまざまな用途に合わせて多彩なSIMカードプランを提供しています。また、貴社の特別な要件に応じて、オリジナルプランの作成も可能です。さらに、幅広い特殊なSIMカードもご用意しており、低速のIoT向けSIMカード、高容量の上り専用SIMカード、夜間専用SIMカードなど、様々なニーズに対応いたします。

2. 4キャリアの貸し出しSIMテストサービス

4キャリア(ドコモ・ソフトバンク・KDDI・楽天)のIoT用SIMの貸し出しを行っており、既存の回線との比較検証や、導入前の事前確認が可能です。

3. 1回線からの導入可能

DXHUBでは、最低1回線からの導入に対応しており、他社では回線数の制約から断られることがあるかもしれませんが、当社ではほとんどの場合、1回線からの導入が可能です。お試し利用から始めていただくこともできます。

4. 最短翌日発送

当社の自社ドコモ網を利用する場合、SIMカードの出荷は自社オペレーションで行います。そのため、他社で1週間以上かかる場合でも、最短数営業日以内にスムーズな納品が可能です。ただし、初回の審査に数営業日、上りSIMなどの場合は数週間の納期を頂くことがありますので、ご了承ください。

5. 初回から売掛での支払い対応

DXHUBは決済代行会社と提携し、初回取引から売掛けでのお支払いが可能です。支払い方法も口座振替、銀行振込、コンビニ払いから選択できます。口座振替の場合、手数料は当社が負担するため、余分な費用がかかりません。また、年間払いや一括払いなど、さまざまな支払いオプションをご用意しており、お客様の要望に応じます。

 料金プラン例(ドコモ回線・上りプラン)

通信量 月額料金
3GB 550円
100GB 2,980円
500GB 12,800円

※上記は税別表記です。プランは一例であり、他キャリアや容量のラインナップも多数展開されています。

https://mvno.dxhub.co.jp/iotbiz-large-upload

h2  まとめ

IoTの活用は企業の競争力を高めるために不可欠ですが、そこには常にセキュリティリスクが伴います。「自社は狙われないだろう」という楽観的な考えは捨て、以下の3点を軸に対策を進めることが重要です。

・適切なパスワード管理と認証の強化

・ファームウェアの継続的なアップデート

・閉域網SIMなどを活用したセキュアなネットワーク構築

特に、物理的な被害や加害者になるリスクを防ぐためにも、インターネットから隔離された環境での運用は非常に有効な選択肢です。安全な基盤の上でこそ、IoTによる真の業務変革が実現します。

(参考)総務省:IoTセキュリティガイドライン https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/iot/

IoTBiz編集部

IoTBiz編集部

2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。

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