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スマートビルディングとは?特徴やメリット、市場規模、事例などを紹介

スマートビルディングとは?特徴やメリット、市場規模、事例などを紹介

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スマートなビルディングとは何でしょうか。どのような意味を持ち、社会や人々のメリット・デメリット、課題を整理します。また、世界的な市場規模やスマートビルディングで使われる技術、各種の事例も紹介します。

目次

スマートビルディングとは

身近に「スマート◯◯」が増えてきた昨今です。
住生活にもスマートハウスが登場し、省エネで快適な住宅に生活する人々も増えました。
一般住宅をIoT化したスマートハウスとは次元の違うのが、スマートビルディングです。
スマートビルディングは、AIとIoTを駆使してICT(Information and Communication Technology)でビルの管理、運用する建物のことです。
次項からスマートビルディングに注目が集まる理由やメリット・デメリットなどを解説します。

その他の「スマート〇〇」について詳しく知りたい方は、こちらの特集ページをご覧ください。
『スマート〇〇一覧|IoTBiz|DXHUB株式会社』

スマートビルディングのメリット

スマートビルビルディングが注目されるわけには、多くの利点があるからです。その中でいま注目されている3点に絞ってみることにします。

省エネルギー(ビルエネルギー管理の最適化)

地球環境の保全にとっても企業経営におけるコスト削減にとっても省エネルギーは重要課題です。
ビル内には多くの照明や空調、エレベータなどの動力電源、働く人が利用するパソコンやIT機器など数多くの電力を使用する機器であふれています。
これらの電力を「ムリ・ムダ・ムラ」なく管理するのがスマートビルディングです。
各フロアやエリアの電力消費量、外気温や日照時間分析による室温コントロールなど、IoTデバイスからデータを高速ネットワーク(後述のローカル5G)で吸い上げます。AIによりビルエネルギーを最適化して快適と省エネの二律背反の課題を達成します。

業務効率の向上(モチベーションアップ)

ビルで働く人や利用者が快適に利用できる環境を作ることは「やる気」に直結する重要事項です。
朝の出勤時のエレベータ前渋滞などがそうです。
わざわざ引っ越しした駅近のタワーマンションにまつわる悲劇です。ピーク時には15分かかると言う「笑い話」にもならない深刻な問題です。
スマートビルディングでは、エレベータの運行状況、各フロアーの滞在人員、エレベータ前の渋滞状況などをカメラやエレベータコントローラーなどをIoT化し混雑緩和ができます。
また、ビル内空調も最適化し着席場所によって最適な室温になるようにコントロールします。真夏なのに膝掛けが必要なOLの話は「むかし話」となることでしょう。

企業価値の向上(サステナビリティと成長性)

スマートビルディングの建設やビルのスマート化はSDGsやDXの推進のみならず、導入企業、団体など事業体の企業価値そのものを向上させます。
スマート化による省エネは企業のTCO(総所有コスト)の削減につながり収益性を向上させます。働く人のモチベーションアップは業務効率や労働生産性の向上に寄与します。
企業価値は、将来的に上がる収益を現時点の価値に換算して金額として表します。事業継続性は数値化しにくいブランドやノウハウ、HR(Human Resources:人的資源)もみますので、スマートビルディングはそれらの価値を押し上げます。

スマートビルディングのデメリット(課題)

スマートビルディングは良いことばかりではありません。課題もありますので、ビルのスマート化はよく検討することが求められます。

多額な初期投資

スマートビルディングの建設や現在のビルのスマート化には多額な費用が発生します。
各種デバイスやコントローラのIoT化、高速で安定化したビル内ネットワークの構築、高性能なAIシステムの導入などです。
ただこれらの初期投資は、スマートビルディングの運用によって長期的には十分回収可能です。

セキュリティリスク

スマートビルディングは一つの大きなコンピュータのようなものです。サイバーテロやウイルス対策に万全を期す必要があります。
AIの誤動作やシステムへのクラッキング(cracking:悪意のあるハッキング)、乗っ取りに対する防御・対策が求められます。
スマートカーが進めている、停電や瞬電時の手動操作、人の手による回避方法のマニュアル化などは大いに参考になります。
スマートビルディングの場合、ビル内に常駐する人員の災害時対応、避難訓練や外部利用者の誘導方法など日常的運用指針の整備も大切です。これらのリスクマネジメント事項もAIによりデジタルツインを作成してシミュレーションが可能です。

認知度・知名度

あまり大きなデメリットではありませんが、スマートハウスやスマートフォンに比べれば多くの人がまだ知らないのがスマートビルディングです。
BtoBのマーケットなので、広告宣伝やイベントも少ないのが現状です。
企業価値の向上や働く人のモチベーションアップのためにも、官民をあげたPRが求められるでしょう。

スマートビルディングの市場規模


市場調査によると、世界のスマートビルディング市場規模は、2021 年に 698億ドル(9兆7,720億円[1USD=140JPY])と評価されています。
2031 年までには2,011億6,000万ドル(28兆1,624億円)に達します。2022 年から2031年にかけて11.3%のCAGR(Compound Average Growth Rate:年平均成長率)で成長すると予測されます。
日本では、政府の進める「Society 5.0」の先行的な実現の場とされている「スマートシティ」があります。その先駆けとして、スマートビルディングが位置づけられていますので、大きな成長性が期待できます。
(参考)Smart Building Market Research, 2031| Allied Market Research

スマートビルディングで使われる技術

スマートビルディングで使われる技術で注目すべき基礎的技術は(1)IoT(2)5G(3)AIの3つです。

IoT(モノのインターネット)

モノのインターネットであるIoTは従来のビル内の各種センサーや制御装置、清掃ロボットなどをIoT化することによって集中管理が実現可能です。
Amazon提供のAWS IoT TwinMakerなどのツールを使えば、あらゆる物理環境の仮想表現を構築できます。
不安要素のある事故やリスクに対する事前のシミュレーションができるわけです。

「IoT」に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
『IoTとは?Internet of Things(モノのインターネット)の意味や仕組み、事例を解説』

5G(第5世代移動通信システム)

5G自体は携帯電話のサービスで都市部を中心に実現済みの技術です。その中でスマートビルディングの技術として注目されているのは「ローカル5G」です。
ローカル5Gは、エリアや産業別のニーズに応えた地域の企業や自治体などが個別に利用できる、地域的な5Gのネットワークです。
携帯電話キャリアによるエリア展開が遅れている地域でも、先行して5G環境を構築可能です。キャリア提供の画一的な5Gサービスと違い個別最適化による運用が可能です。
例えば、サーバーとの接続回線は容量を優先しIoTデバイスやセンサーとの接続にはリアルタイムの超低遅延機能を優先するなどです。
(参考)ローカル5Gの普及展開に向けて|総務省

「5G」に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
『5G(第5世代移動通信システム)とは?特徴や仕組み、事例をわかりやすく解説』

AI(人工知能)

IoT化されたデバイスを5Gでネットワーク化しても、それらが最適化されてコントロールできなければ「宝の持ち腐れ」です。
人がコントロールするには限界があります。映画やドラマによくある、集中コントロールルームの監視員の目や隙をついて侵入するスパイのような行動を許してしまいます。
AIの活用によって、24時間365日絶え間ないデータ収集と分析、隙のない対応が実現できます。

スマートビルディングの導入事例

スマートビルディングの事例を機能や技術的側面からいくつかみてみましょう。

電気を無駄にしない(エネルギー消費量50%カット)

関電不動産八重洲ビルは電力インフラに関連する企業(関西電力株式会社100%子会社)の作るスマートビルディングです。設備と建設の一体的な省エネ活動にも取り組んでいます。
設計段階で建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高ランクの評価を受けています。年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物を目指す「ZEB Ready」認証も受けています。
省エネ性能については、複層ガラスや高断熱化しています。加えて冷暖房効率の高い水冷パッケージ方式による個別空調や高効率中央熱源外気処理システム、センサー空調・ 照明の自動制御を採用しています。IoT化人感知センサーで無駄な電力の削減を実現しています。
(参考)「関電不動産八重洲ビル」竣工のお知らせ|関電不動産開発株式会社

エレベータの待ち時間解消(高層ビル)

エレベータの前で待つあの時間は、待つ身にとって無限の時間を感じさせます。
大規模な高層ビルでは収容人員が万を超えることも珍しくありません。六本木ヒルズの昼間人口は5万人を上回ります。
エレベータの効率的運用がない場合はイライラがピークに達するでしょう。
最新のAIエレベータは過去の膨大な運行データをAI技術で解析し将来の人の流れを予測します。
ビル内の人の流れに先回りしてエレベーターをサービスすることで、円滑な移動を実現する「人流予測アルゴリズム」です。
ボタンを押す行動に先回りして、エレベーターの運行を管理するテクノロジーです。
(参考)人流予測型エレベーター運行管理システム「FI-700」|日立ビルシステム

はたらく人を笑顔に(スマートオフィス)

100年に一度と言われる渋谷の大規模再開発ではスマートビルディングが乱立しています。
「building smiles」をコンセプトにした、「渋谷ソラスタ」は緑の力とIoTを活かしたスマートビルディングです。
興味深いのは、スマートフォンでラウンジやトイレの利用状況のモニターや、従業員の位置情報をリアルタイムで知る機能の提供です。より柔軟な働き方に対応したスマートビルディングと言えます。
(参考)「渋谷ソラスタ(SHIBUYA SOLASTA)」竣工|東急不動産

まとめ

スマートビルディングの建設やビルのスマート化には、大きなメリットがあります。一方でリスクや課題もまだまだ残されています。
ポイントはビルIoT化の完成度の向上と運用側の人的資源(HR)のパワーアップ、ブラッシュアップです。
テクノロジーの進歩に対応する、経営資源の有効活用のマネジメントスキルも経営者には求められます。
多くの事例に学び適切なスマートビルディングへのアプローチは企業価値を高め生産性の向上に非常に有益な手段です。

IoTBiz編集部

IoTBiz編集部

2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。

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