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スマート物流(スマートロジスティクス)とは?意味や定義、メリット、活用事例を紹介

スマート物流(スマートロジスティクス)とは?意味や定義、メリット、活用事例を紹介

2min

スマートロジスティクス(スマート物流)について詳しく知りたいですか?本記事では、スマートロジスティクス(スマート物流)の意味や定義、メリット、活用事例を紹介します。

目次

物流業界が抱える主な4つの課題

スマートロジスティクスを紹介する前にまずは、物流業界が抱える大きな4つの課題を紹介します。

1. 慢性的に続く人手不足

物流業界で、長年叫ばれ続けている課題の1つが「人手不足」です。

国土交通省の物流政策課が公表した『物流を取り巻く現状について』によると、トラックドライバーが不足していると感じている企業の割合が年々高まり、2017年には6割を超えました。
物流業では、約216万人程度の人が働いていますが、少子高齢化の影響もあり、特にトラックドライバーは高年齢化の傾向が顕著で、2018年現在で、トラックドライバーの約50%が40~54歳で、29歳以下の若年層が全体の約10%以下です。さらに、女性割合も他の産業と比べて、約3%以下でかなり低い水準となっており、女性の活躍が少ないというのが物流業界へのマイナスイメージを強くしている要因の1つです。

(参考)物流を取り巻く現状について|国土交通省 物流政策課

2. 深夜・長時間労働と2024年問題

物流業界の抱える深刻な課題の2つ目が「深夜・長時間労働と2024年問題」です。

物流業界での仕事は、その仕事の特性から肉体労働や長時間労働、深夜労働などの肉体的にも精神的にもハードな仕事と見られています。特に問題視されているのが、荷物の積み先や荷物の下ろし先での長時間の待ち時間が発生してしまうということです。国土交通省の物流政策課が公表した『物流を取り巻く現状について』によると、1運行あたりの待ち時間の平均が1時間45分となっており、こうした空白の待ち時間がより一層長時間労働になってしまう1つの要因となっています。

2024年問題とは、前述のような背景から厚生労働省により、働き方改革関連法によって、2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されることで物流業界に生じる様々な問題のことです。
具体的な論点は、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されるということです。これにより、「会社の売上や利益減少」「トラックドライバーの収入減少や離職」といった問題が生じるだろうと見られています。

・年720時間以内
・月100時間未満(休日労働を含む)
・2 ~ 6ヶ月平均で80時間以内(休日労働を含む)
・月45時間を超える月は6ヶ月まで

(参考)働き方改革特設サイト:時間外労働の上限規制|厚生労働省

3. ネットショッピングによる小口配送の増加と再配達による配送の非効率

近年、物流業界で浮上してきた深刻な課題の3つ目が「ネットショッピングによる小口配送の増加と再配達による配送の非効率」です。

インターネットやテクノロジーの発展により、Amazonや楽天をはじめとするネットショッピングの環境が整い、さらに、コロナにより、個人向けの宅配需要が高まったことで、一般の個人顧客への配送が一昔前と比べかなり多くなりました。そのことにより浮上したのが再配達問題です。基本的にこれまでの宅配は、発送時に時間の指定などができず、不在時に宅配員が家に来るということがたくさんあり、このことで再配達が増え続けていました。そのことで、配達員の配送業務はかなり非効率なものになってしまいました。

近頃は、「時間指定配送」や「置き配」などの工夫によって多少は小口配送の効率が改善されましたが、すべてのネットショッピングで「時間指定配送」や「置き配」が選択できている状況ではなく、依然として、この配送問題が続いています。

4. 世界情勢に左右される燃料費

世界情勢が不安定な時に必ず浮上する4つ目の課題が「世界情勢に左右される燃料費」です。

直近では、「コロナ」や「ロシアとウクライナの戦争」などの影響で急激に原油価格が下落と高騰しており、物流にとって欠かせないこのガソリンの価格が安定しないというのが大きな課題となっています。しかし、この燃料費の問題は、今に始まったことではなく、歴史を振り返ると、世界情勢を揺るがすような出来事が起きたタイミングで必ず発生しています。具体的には、「戦争」や「金融危機」が起きる時には、必ずといっていいほど、原油価格が高騰しています。

IG証券株式会社が公開している『原油の歴史』によると、1861年から2017年の間に約14回も原油価格が高騰しています。

1. 石油ブームと南北戦争‐1862-1865年
2. スピンドルトップで石油発見 – 1901年
3. 第一次世界大戦‐1914‐1918年
4. 西海岸ガス飢饉‐1920年
5. 世界大恐慌の始まり-1929年
6. 第二次世界大戦‐1939‐1945年
7. スエズ危機-1956年
8. 第四次中東戦争-1973年
9. イラン革命‐1970‐1980年
10. イラン・イラク戦争‐1980‐1988年
11. 湾岸戦争‐1990‐1991年
12. アジア金融危機-1997年
13. イラク戦争‐2003‐2011年
14. アラブの春‐2010‐2012年

(参考)原油の歴史:石油の価格に影響を与えるイベントとは?|IG証券株式会社

スマート物流(スマートロジスティクス)とは

前述した物流業界が抱える課題の主な4つの課題を含めた様々な課題を解決すると注目を集めているのがスマート物流(スマートロジスティクス)です。ここからはそのスマート物流(スマートロジスティクス)について紹介します。

スマート物流(スマートロジスティクス)の定義

スマート物流(スマートロジスティクス)とは、AI(人工知能)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)、M2Mなどの最新テクノロジーを活用し、物流業務全般の効率化を図り、物流品質の向上とともに物流の最適化を行うことをいいます。
一般的に、ロジスティクス(物流)とは、生産者から消費者(個人または法人)に商品が届くまでの輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報処理といったモノの一連の流れを物流と呼びます。さらに、スマートロジスティクスには、業務別に大きく分けて「倉庫のスマートロジスティクス」と「輸送のスマートロジスティクス」の2つの種類があります。
さらに、スマート物流(スマートロジスティクス)には、業務別に大きく分けて「倉庫のスマート物流(スマートロジスティクス)」と「輸送のスマート物流(スマートロジスティクス)」の2つの種類があります。

・倉庫のスマート物流(スマートロジスティクス)
倉庫の状態をIoTやM2Mを用いてネットワーク経由で一元管理し、AIやビックデータを活用し、自動倉庫システムや在庫管理システムを確立している倉庫のこと
・輸送のスマート物流(スマートロジスティクス)
コネクテッドカーやドローンを用いて無人配送を実現し、AIやビックデータを活用し、配送状況をネットワーク経由で一元管理している輸送のこと

スマート物流(スマートロジスティクス)が注目される背景・理由

スマート物流(スマートロジスティクス)が注目される背景として、日本の少子高齢化の影響がますます高まる中で、スマート物流(スマートロジスティクス)を支える最新テクノロジーの「AI・ビッグデータ」や「IoT・M2M」が急速に進化したことが1つの要因です。「AI・ビッグデータ」や「IoT・M2M」については後ほど詳しく紹介します。
さらに、スマート物流(スマートロジスティクス)を進めることで、前述の課題を含めた様々な物流に関する課題を解決できるとして、スマート物流(スマートロジスティクス)に注目が集まっています。

スマート物流(スマートロジスティクス)の目的

スマート物流(スマートロジスティクス)の目的は、AI(人工知能)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)、M2Mなどの最新テクノロジーを活用し、物流業務全般の効率化を図り、物流品質の向上とともに物流の最適化を行うことです。

スマート物流(スマートロジスティクス)の2つのメリット

スマート物流(スマートロジスティクス)の主な2つのメリットを紹介します。

(1)人材不足に対する省人化・省力化の実現

スマート物流(スマートロジスティクス)の1つ目のメリットは、「人材不足に対する省人化・省力化の実現」です。
前述した物流業界が抱える主な4つの課題の1つである「①慢性的に続く人手不足」を解決するのがスマート物流(スマートロジスティクス)です。
例えば、物流倉庫に自律自走ロボット(ピッキングロボット)を導入することで、ピッキング業務の大幅な時間の削減を実現できます。自律自走ロボット(ピッキングロボット)が導入されていない倉庫でのピッキング業務は、配送する品物を作業員自ら品物の置いてある棚に歩いて取りに行き、トラックなどに荷物を積み込まなければなりません。しかし、自律自走ロボット(ピッキングロボット)が導入されている倉庫では、自律自走ロボット(ピッキングロボット)が作業員のもとへ品物を自動的に持ってきてくれるため、これまでのピッキング業務で発生していた時間の削減と同時に肉体重労働からも解放してくれています。
また、海外で実証実験として行われているのがドローン配送です。このドローン配送が日本でも実現することができれば、これまで業務効率化や無人化が難しいとされてきたラストワンマイルでも無人化が実現し、これまでのように人が人力で配送を行わなくて良い世界を実現することができます。

(2)小口配送への柔軟な対応が可能

スマート物流(スマートロジスティクス)の2つ目のメリットは、「小口配送への柔軟な対応が可能」です。
前述した物流業界が抱える主な4つの課題の1つである「ネットショッピングによる小口配送の増加と再配達による配送の非効率」を解決するのがスマート物流(スマートロジスティクス)です。
小口配送では、仕分け作業の効率化やスピード配送の実現、そして、多頻度配送への対応などが求められますが、具体的には、自律自走ロボット(ピッキングロボット)による倉庫業務の効率化やコネクテッドカーによる無人での配送・輸送業務の効率化、ドローンによるラストワンマイルの効率化を実現することで、小口配送への柔軟な対応が可能になります。このような取り組みは、世界中で実証実験が行われています。

スマート物流(スマートロジスティクス)を支えるテクノロジー

スマート物流(スマートロジスティクス)を支えるテクノロジーといえば、「人工知能(AI)・ビッグデータ」と「IoT・M2M」です。ここでは、その「人工知能(AI)・ビッグデータ」と「IoT・M2M」について詳しく紹介します。

人工知能(AI)・ビッグデータ

人工知能(AI)とは
人工知能(AI / Artificial Intelligence)とは、コンピューターサイエンスの一分野で、音声認識、意志決定、視覚など、通常は人間の知能に関連するタスクをコンピューターシステムが学習して実行することを可能にするものの総称のことを言います。

ビッグデータとは
ビッグデータとは、「Volume(量)」「Velocity(速度)」「Variety(種類)」「Value(価値)」「Veracity(真実性)」の5つの「V」からなる様々な種類や形式のデータのことです。

「ビッグデータ」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
『ビッグデータとは?意味や定義、身近な活用事例5選』

IoT・M2M

IoT(モノのインターネット)
IoTとは、「アイオーティー」と読み、「Internet of Things」の略で、日本では「モノのインターネット」とも呼ばれています。もっとわかりやすくいうと、「これまでインターネットに繋がらなかったモノがインターネットに繋がるようになった」と解釈することができます。
具体的に、物流業でのIoTは、IoTセンサーを搭載した自律自走ロボットやIoTセンサーの搭載された荷物を管理する棚倉庫全体を把握するためのIoTカメラなどにこのIoT技術が活用されています。

「IoT」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
『IoTとは?Internet of Things(モノのインターネット)の意味や仕組み、事例を解説』

M2M
M2Mとは、「エムツーエム」と読み、「Machine to Machine」の略称で、「人間を介在することなく、モノ同士が相互に情報のやり取りをする仕組み」のことです。M2Mの特徴として、専用のネットワークだけに限らず、インターネットを介した接続をすることで、モノ同士のやりとりをすることもあります。
具体的に、物流業でのM2Mは、自律自走ロボット同士がぶつからずに走行を行うために通信をしたり車間を確認したりする際にこのM2M技術が活用されています。

「M2M」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
『M2M(Machine to Machine)とは?意味や仕組み、IoTとの違い、事例を紹介』

スマート物流(スマートロジスティクス)の国内事例・海外事例3選

スマート物流(スマートロジスティクス)の国内事例と海外事例を3選紹介します。

【海外・国内事例】ピッキングロボット|Amazon(アマゾン)

世界中で物流革命を起こした第一人者のAmazonは、物流倉庫での単純なピッキング作業をロボット化しています。インターネットショッピングの先駆者でもあるAmazonでは、注文日の翌日配送をはじめとする最速での配達を実現するために、自律走行ロボット(ピッキングロボット)が自動的に商品を載せた棚を棚だしエリアに運び人に渡すという業務を行なっています。

(参考)アマゾン茨木FCの「Amazon Robotics」で自律走行ロボットが棚を載せて棚だしエリア運んでくる様子|GIGAZINE(ギガジン)

【国内事例】小型無人搬送ロボット|MonotaRO(モノタロウ)

現場を支えるネットストアをモノタロウを提供する株式会社MonotaROでは、自社の笠間ディストリビューションセンターで、株式会社日立製作所が開発販売している小型無人搬送ロボット「Racrew」を約400台導入しました。

小型無人搬送ロボット「Racrew」は、Amazonが導入している自律自走ロボットと同様に、専用棚の下に潜り込み、作業者のもとへ棚を直接搬送します。そのため、社業者の歩く時間を大幅に削減し、生産性の向上を実現させます。

(参考)ニュースリリース:2020年8月25日|HITACHI

【国内事例】フォークリフト操作のAI判定システム|サントリーホールディングス

安全・安心な「スマートロジスティクス」を推進するサントリーホールディングス株式会社のサントリーMONOZUKURIエキスパート株式会社は、物流子会社のサントリーロジスティクス株式会社と富士通株式会社が共同開発したフォークリフト操作のAI判定システムを2021年6月2日から物流業界で初めて導入しました。

フォークリフトに搭載されたドライブレコーダーの映像をAI解析することで、業務の省力化と、定型化が難しかった作業評価の標準化を可能にし、安全品質の向上を実現しました。

(参考)フォークリフト操作のAI判定システムを物流業界で初めて導入|サントリーホールディングス株式会社のプレスリリース

IoTBiz編集部

IoTBiz編集部

2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。

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