ビジネスフォンとは?
ビジネスフォンとは、内線・外線・転送・保留など、業務で活用できるさまざまな機能を搭載した多機能電話機のことです。社員同士が簡単に電話をつなげられるため、業務効率化に大きく貢献します。
オフィスの規模や業種を問わず、ほとんどの企業に導入されており、日々の電話対応の基盤となるシステムです。なお、ビジネスフォンの法定耐用年数は6年とされており(※2026年5月確認時点)、一定期間ごとに更新や見直しが必要になります。近年は、クラウドPBXの登場により電話環境の選択肢が広がっており、買い替えのタイミングでクラウドPBXへの移行を検討する企業も増えています。
ビジネスフォンと一般電話機の違い
ビジネスフォンは、一般(家庭用)電話機と異なり、複数回線の共有が可能です。たとえば、誰かが通話中に別の着信があっても、別の社員が同時にその電話を受けることができます。また、内線同士の通話は基本的に無料で利用できます。
一般電話機では1回線に対して1台しか接続できないのに対し、ビジネスフォンではPBX(主装置)を通じて複数台の電話機が1つの回線を共有する仕組みになっています。
ビジネスフォンの仕組みと特徴
ビジネスフォンは、主装置(PBX)と専用電話機から構成されています。主装置が内線と外線、または内線同士を接続する役割を担っており、転送や保留などの多彩な機能を実現しています。
主装置の性能によって同時通話可能な回線数や接続できる電話機の台数が異なるため、導入時にはオフィスの規模や利用人数に合ったものを選ぶことが重要です。
ビジネスフォンの基本的な使い方
ここからは、ビジネスフォンの基本的な使い方を、外線・内線・保留・転送の順に確認していきます。
外線のかけ方・受け方
自社のネットワーク外の相手との電話を「外線」と呼びます。
外線をかける手順
外線をかける場合は、まず受話器を取り、現在利用可能な外線ボタンを押した後、かけたい相手の電話番号を入力します。どの外線が空いているかはボタンの色(ランプ)で判別できます。利用可能な外線の数は契約内容によって異なります。
外線の受け方
外線の受け方は機種によって若干異なりますが、一般的には電話がかかってくると外線ボタンが点滅するので、そのボタンを押してから受話器を取ると通話が開始されます。
内線のかけ方・受け方
自社内に敷設された回線を使った通話を「内線」と言います。内線通話は通話料がかからないため、社内のコミュニケーションコスト削減に有効です。
内線をかける手順
まず受話器を取った後、かけたい相手の内線番号をダイヤルします。基本的には受話器を取るだけで内線通話モードになりますが、もし内線通話にならない場合は内線ボタンを押してください。
内線の受け方
内線で呼び出しがあった場合は、受話器を取るだけで電話を受けることができます。
保留の方法
保留
保留とは、一時的に通話を中断できる機能で、他部署への取次ぎなどに使用します。保留中は相手に音楽が流れ、こちらの音声は聞こえません。
保留の手順
保留にするには、通話中に保留ボタンを押して受話器を置きます。
保留の解除の手順
保留にした本人がもう一度出る場合は、受話器を取ってから保留ボタンをもう一度押します。赤や緑で点滅している外線ボタンを押すことによっても解除できます。
保留の便利機能 パーク保留
パーク保留とは、専用の「パーク保留ボタン」を使った保留機能です。パーク保留ボタンを押して保留した後、どの電話機からでも同じパーク保留ボタンを押せば保留が解除され、電話を引き継ぐことができます。
一々転送操作をしなくても通話を引き継げるため、同じ部署やグループ内での取次ぎがスムーズになります。
転送の方法
転送
転送は、かかってきた電話を他の回線に送る機能です。社内の異なるフロアにいる担当者に取り次ぐ場合などに使用します。
転送する場合は、まず転送ボタンを押し、転送先の内線番号をダイヤルします。内線がつながったら転送する旨を伝え、受話器を置くと自動的に転送されます。
転送をキャンセルする方法
転送をキャンセルしたい場合は、現在使用中の外線ボタンを押すことで転送が取り消されます。
短縮ダイヤル・リダイヤル機能
短縮ダイヤルの登録と利用
短縮ダイヤルは、よく使う電話番号に2〜4桁の数字を割り振っておくことで、電話番号を全て入力しなくても短い数字で発信できる機能です。会社全体での共通登録と、端末ごとの個別設定があり、必要に応じた使い分けが可能です。
ワンタッチダイヤル機能
ワンタッチダイヤル機能は、ビジネスフォンのボタンに電話番号を割り当て、ボタンを押すだけで発信できる機能です。短縮ダイヤルよりもさらに素早く発信できる一方、ボタンの数までしか登録できず、端末ごとの個別設定のみとなります。
リダイヤル発信の活用方法
リダイヤル発信とは、過去にかけた電話番号の履歴から発信できる機能です。リダイヤルボタンを押すと番号履歴が表示されるので、かけたい番号を十字キーで選択して発信します。
ビジネスフォンの便利機能
電話帳
ビジネスフォンには、主に以下の3種類の電話帳があります。
1. 共通電話帳
全端末に共有される電話帳です。管理権限のある親機から電話番号を登録できます。
2. 個別電話帳
特定の端末ごとに登録する電話帳です。登録した情報は他の電話機では利用できません。
3. Web電話帳
クラウド上に登録する電話帳です。データがサーバー上に保存されるため共有が簡単で、端末の紛失・故障時にもデータが失われません。スマートフォンからも利用可能です。
会議通話機能
会議通話機能は、複数人で同時に通話できる機能です。社内の関係者と外部のお客様を同時につないで打ち合わせを行うなど、電話会議の場面で活用されています。
利用方法は機種によって異なりますが、一般的には通話中に会議通話ボタンを押し、追加したい相手の内線番号や外線番号をダイヤルして接続します。Web会議ツールの普及が進む現在でも、インターネット環境が不安定な場面や、移動中に急な打ち合わせが必要になった場面では、電話回線を使った会議通話が重宝されます。
不在メッセージ機能
不在メッセージ機能とは、離席中にかかってきた内線の着信に対して、あらかじめ設定しておいたメッセージを相手の電話機に表示し、不在の時間帯や理由を伝える機能です。定型文が用意されており、時間や場所などの数字部分だけを入力して設定します。
定型文の例としては、「〇〇:〇〇まで会議」「外出〇〇:〇〇に帰社予定」「出張中」「Eメールに連絡してください」などがあります(例:NEC Aspire)。
不在転送機能
不在転送は、離席中の着信をあらかじめ設定しておいた内線や携帯電話に転送できる機能です。転送設定の手順は以下のとおりです。
- 受話器を上げる
- 機種ごとに設定されている不在転送機能の番号を入力する(外線に転送する場合は外線特番を入力)
- 転送したい内線もしくは携帯電話の番号を入力する
- 受話器を下ろす
不応答転送機能
不応答転送機能は、かかってきた電話に一定時間応答できなかった場合に、あらかじめ設定した内線番号へ自動的に転送する機能です。不在転送機能や不在メッセージ機能はすべての着信が転送対象となりますが、不応答転送機能は出られなかった電話だけを転送するため、一時的な離席にも柔軟に対応できます。
自動音声応答(IVR)・ACD
自動音声応答(IVR)は、「〇〇の場合は1番、□□の場合は2番」のように、発信者に対して音声で質問し、番号で回答してもらうシステムです。IVRによって、発信者の要件を事前に把握した上で適切な担当者へ接続できるため、業務の効率化を図ることができます。
導入には専用の装置を主装置に設置する方法のほか、クラウドで利用できるサービスもあります。クラウド型のIVRは、物理的な装置が不要で、Web管理画面から音声ガイダンスの設定変更が簡単に行えるため、中小企業でも導入しやすい選択肢となっています。
ACD(Automatic Call Distributor)
ACDとは、かかってきた電話をルールに基づいて適切に分配する機能です。待機中のオペレーターへ優先的に割り振る、IVRで取得した情報をもとに適切なスキルを持つオペレーターにつなぐなどの機能があり、コールセンター業務の効率化に役立ちます。
自動応答機能(ボイスボット)
自動応答機能とは、AIが自動で電話対応を行うサービスで、「ボイスボット」とも呼ばれます。基本的にはAIがすべての対応を行い、AIで対応できなかった場合にのみ人が対応します。通話履歴は保存されるため、後からの確認も可能です。
自動応答機能は、導入時にマニュアル(対応パターン)を設定する必要があり、より多くの会話パターンを学習させるほど精度が高まります。AIには学習機能があるため、継続的な改善により精度向上が期待できます。
通話録音機能
通話録音機能は、電話のやり取りを自動で記録できる機能です。聞き間違いや「言った・言わない」のトラブル防止、商談内容の正確な振り返りに役立ちます。
特に、2026年10月1日に施行される改正労働施策総合推進法では、すべての企業に対してカスタマーハラスメント(カスハラ)対策が義務化されます(※2026年5月確認時点、出典:厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」)。通話録音はカスハラの客観的な証拠記録としても有効であり、従業員の安全を守るための重要なツールとして注目が高まっています。
クラウドPBXの中には全通話録音機能が標準搭載されているサービスもあり、導入のしやすさから中小企業でも対策に取り組みやすくなっています。
クラウドPBXとビジネスフォンの違い
クラウドPBXとは、ビジネスフォンの主装置(PBX)をクラウド上に構築し、インターネット経由で機能を利用するサービスです。物理的な主装置を社内に設置する必要がなく、初期費用を大幅に抑えられるのが特徴です。
スマートフォンやパソコンを内線端末として活用できるため、社外にいるときや営業の外回り中でも、会社の電話番号で発着信が可能です。リモートワークや複数拠点での運用にも柔軟に対応でき、異なる拠点の社員とも気軽に内線通話を共有できる環境を実現します。
クラウドPBXのメリットとデメリットをまとめると、次のとおりです。
メリット
- 主装置を設置するコストがいらない
- 配線工事が不要で、導入スピードが早い(最短数営業日)
- スマートフォンやPCなど、さまざまな端末で利用可能
- 機能の追加・拡張がWeb管理画面から簡単にできる
- 拠点間の内線通話が無料
デメリット
- 通常のビジネスフォンに比べてセキュリティリスクへの対策が必要
- 通話の音質がインターネットの接続状況に左右される
- 電話番号の移行(番号ポータビリティ)ができない場合がある
コスト面では、従来のビジネスフォンを50名規模で導入する場合、主装置や電話機、配線工事などで初期費用が200万〜500万円程度かかるとされています。一方、クラウドPBXでは初期費用がゼロ円〜5万円程度に抑えられるケースが多く、既存のスマートフォンをそのまま内線端末として利用できるため、端末購入費も大幅に削減できます(※2026年5月確認時点)。
運用コストについても、従来のビジネスフォンでは毎月数万円規模の保守・サポート契約や、レイアウト変更時の追加工事費用が発生しますが、クラウドPBXでは保守費用がプラン内に含まれることがほとんどです。設定変更も管理画面から自社で対応できるため、運用時のコスト透明性が高い点も大きな強みです。
クラウドPBXについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
クラウドPBXの初期費用や月額費用はいくらかかる?相場や選ぶポイントについて解説
また、ビジネスフォンの主要メーカーやクラウドPBXとの選び方について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
ビジネスフォンメーカーおすすめ8社を徹底紹介│クラウドPBXとどっちがいい?
クラウドPBXの通信環境に「WiMAX+5G無制限プラン」
クラウドPBXはインターネット回線を利用するため、安定した通信環境が不可欠です。特に、工事現場や仮設事務所、新規オフィスの立ち上げ時など、固定回線の敷設に時間がかかる場面では、すぐに利用開始できるモバイル回線が役立ちます。
このような場合に有効なのが、IoTBizの「WiMAX+5G無制限プラン」です。データ容量無制限で5G(sub6/NR化)に対応しており、下り最大4.2Gbps(ホームタイプ)の高速通信が可能です。モバイルタイプとホームタイプの2種類から選べるため、オフィスの規模や用途に応じた導入ができます。
| 項目 | 内容 |
| レンタル月額(税別) | 4,280円〜(6ヶ月以上の場合) |
| 購入プラン回線月額(税別) | 3,980円 |
| 端末代金(税別) | 25,200円(購入プランの場合) |
| 事務手数料(税別) | 3,000円 |
| データ容量 | 無制限 |
| 対応規格 | 5G / 4G LTE / WiMAX 2+ |
| 契約回線数 | 1回線から可能 |
| 支払い方法 | 売掛け対応(Paid決済) |
1回線から契約でき、法人向けに売掛け対応(Paid決済)も利用できます。クラウドPBXの通信基盤としてはもちろん、テレワーク環境の構築や一時的な拠点の通信手段としても活用可能です。
詳細・お問い合わせ:
まとめ
今回は、ビジネスフォンの基本的な使い方(外線・内線・転送・保留)から、IVR・ボイスボット・通話録音などの便利機能、さらにクラウドPBXとの違いまでを解説しました。
2026年10月にはカスタマーハラスメント対策の義務化が全企業に適用されるなど、オフィスの電話環境に求められる要件は年々変化しています。通話録音や自動応答といった機能を上手に活用することで、業務効率の向上だけでなく、従業員を守る体制づくりにもつながります。
また、クラウドPBXの導入を検討している場合は、通信回線の安定性も重要なポイントです。固定回線の導入が難しい環境では、WiMAX+5Gのような無制限モバイル回線を活用することで、場所を問わず安定した通信基盤を確保できます。
ビジネスフォンの使い方をマスターし、自社に合った電話環境を整備して、業務効率をアップさせましょう。