ドローン導入で補助金の対象になる経費・ならない経費
産業用ドローンの導入では、機体本体のほかに解析ソフトウェア、バッテリーや予備プロペラ、操縦者の資格取得費用、飛行データを扱うクラウド環境など、複数の費目が同時に発生します。補助金・助成金はこれらをまとめて面倒を見てくれる制度ではなく、制度ごとに「何にお金を出すか」がはっきり分かれています。この切り分けを先に理解しておくと、制度選びで迷いません。
補助対象になりやすいのは、次のような費目です。
・ドローン本体および付随する測量・点検用の機材(機械装置費として計上するもの)
・飛行計画の作成や画像解析を行うソフトウェアのライセンス費、クラウド利用料
・ドローンで取得したデータを処理するための外注費や専門家経費
・操縦者に国家資格を取得させるための訓練経費と、訓練期間中の賃金の一部
一方で、次のような費目は対象外か、対象になりにくい傾向があります。
・毎月発生する通信費、保険料、電気代などのランニングコスト
・すでに購入済みの機体、つまり交付決定より前に発注・支払いを済ませたもの
・汎用性が高く、ドローンを使う事業との関連を説明しにくい備品
・従業員が個人として自費で取得した資格の受講料
特に見落とされやすいのが、交付決定前の発注は補助対象外という原則です。「先に機体を買ってから補助金を申請する」という順序は成立しないため、導入時期そのものを公募スケジュールから逆算して決める必要があります。
ドローン導入に使える補助金・助成金の比較一覧
2026年8月時点で、ドローン導入に活用できる主な国の制度は次のとおりです。近年の制度再編で名称が大きく変わっているため、古い記事で見た名称のまま探すと現行制度にたどり着けないことがあります。
| 制度名 | 主な用途 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 新製品・新サービス開発や新市場進出に伴う設備投資 | 最大9,000万円 | 1/2〜2/3 |
| 中小企業省力化投資補助金(一般型) | 現場に合わせた省力化設備・システムの構築 | 最大1億円 | 公募要領を参照 |
| 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) | カタログ掲載の汎用省力化製品の導入 | 最大1,500万円 | 公募要領を参照 |
| 小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠) | 小規模事業者の販路開拓・生産性向上 | 最大250万円 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| デジタル化・AI導入補助金(通常枠) | 解析ソフト等のITツール導入 | 450万円 | 1/2以内 |
| 人材開発支援助成金 | 操縦者の訓練・国家資格の取得 | コースにより異なる | 45〜75% |
このうち補助金は電子申請が中心で、いずれもGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。小規模事業者持続化補助金も電子申請システムのみの受付で、GビズIDプライムアカウントが必須とされています。一方、人材開発支援助成金は雇用関係助成金ポータルによる電子申請と、管轄の労働局への書面提出の両方に対応しており、GビズIDが必要になるのは電子申請を利用する場合です。必要なアカウントと提出方法は制度ごとに異なるため、着手前に確認してください。
機体・設備の導入に使える補助金
機体や周辺設備といった「モノ」への投資に使えるのが、次の3つの制度です。投資規模と事業の性格によって、適した制度が変わります。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
2026年度から、これまでの「ものづくり補助金」と「中小企業新事業進出補助金」が統合され、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金として実施されています。旧名称で探している場合は、こちらが後継制度にあたります。
申請枠は次の3つに整理されました。
・革新的新製品・サービス枠:革新的な新製品・新サービス開発の取組が対象。補助上限は最大2,500万円(賃上げ特例の適用時は最大3,500万円)、補助率は中小企業者が1/2、小規模企業・小規模事業者および再生事業者が2/3
・新事業進出枠:既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出が対象。補助上限は最大7,000万円(賃上げ特例の適用時は最大9,000万円)、補助率は中小企業者が1/2
・グローバル枠:海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化が対象。補助上限は新事業進出枠と同水準で、補助率は中小企業者が2/3
ドローン導入で注意したいのは、革新的新製品・サービス枠の対象範囲です。公式サイトでは、単に機械装置やシステム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しないと明記されています。「点検作業を効率化するためにドローンを買う」という計画だけでは要件を満たしません。ドローンを使った新しい点検・測量サービスを外部に提供する、といった開発の要素を事業計画に落とし込む必要があります。
第1回公募の応募締切は令和8年10月30日18時で、当初の予定から後ろ倒しされています。主な数値要件は、補助事業終了後3年から5年の事業計画において、付加価値額の年平均成長率4.0%以上、1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い水準を毎年満たすことです。目標が未達の場合は補助金の一部または全額の返還義務が生じることがあるため、計画は達成可能な水準で組み立ててください。
数値要件のほかにも申請要件があります。次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定して厚生労働省の「両立支援のひろば」で公表していること、子育て等に関する職場環境整備に向けた取り組みを行うこと、補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受ける場合は資金提供元から事業計画の確認を受けていることが求められます。とくに一般事業主行動計画の公表は掲載までに1〜2週間程度かかるとされており、締切間際に着手しても間に合いません。GビズIDの取得と並行して進めてください。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(中小企業基盤整備機構)
中小企業省力化投資補助金
人手不足の解消を目的とした省力化投資を支援する制度です。点検や測量にかかる人員を減らすためにドローンを導入するという文脈とは、制度の目的が合致しやすい制度といえます。類型は2つあります。
・カタログ注文型:カタログに登録された汎用の省力化製品から選んで導入する方式で、補助上限は最大1,500万円
・一般型:個別の現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築を支援するオーダーメイド型で、補助上限は最大1億円
機体だけでなく、ドローンポートや解析システムを組み合わせて自社の業務フローに合わせ込むような投資は、一般型の想定に近い形です。一般型は公募回制で運用されており、第7回の応募申請は2026年7月31日17時に締め切られました。第8回については8月中旬の公募開始、9月中旬の申請受付開始、10月中旬の申請締切が予定されています。
カタログ注文型は製品があらかじめ登録されている分だけ申請の負担が軽い一方、自社の現場に合った製品がカタログにあるかどうかが前提になります。どちらの類型でも、申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない事業者を対象とした制度です。上記2制度に比べると規模は小さいものの、求められる要件のハードルは相対的に低く、初めて補助金を使う事業者でも取り組みやすい制度です。
一般型 通常枠の補助上限は50万円、補助率は原則2/3です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方の要件を満たす場合は合わせて200万円が加算されて最大250万円となります。ドローン本体の購入費は機械装置等費として、ドローンを活用した新サービスの広告費は広報費として計上する、といった組み立てが考えられます。
補助率が3/4に引き上げられるのは、賃金引上げ特例を申請する事業者のうち赤字事業者に限られます。赤字であれば自動的に3/4になるわけではないため、補助率を見込んで計画を立てる場合は特例の要件から確認してください。
対象は小規模事業者に限られます。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員数5人以下、宿泊業・娯楽業および製造業その他は20人以下が目安です。また申請にあたっては、地域の商工会議所・商工会への相談と、事業支援計画書(様式4)の発行が必須になります。
一般型 通常枠 第20回公募の申請受付期間は2026年11月5日から12月15日までです。様式4の発行受付は申請締切より前に締め切られるため、締切間際に相談しても間に合いません。申請を決めた段階で商工会議所・商工会へ連絡してください。
小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>(商工会議所地区)
ソフトウェア・解析ツールの導入に使える補助金
ドローンの導入効果は、撮影したデータをどう処理するかで大きく変わります。測量ソフトや画像解析ツールといったソフトウェア側の投資には、次の制度が使えます。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
2026年度から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変更されました。制度の骨格は引き継がれており、名称に示されているとおりAI機能を搭載したツールの導入も対象として位置づけられています。
通常枠の補助額は、1プロセス以上の導入で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下です。補助率は1/2以内で、一定期間にわたり地域別最低賃金に近い水準で雇用している従業員が全従業員の30%以上を占めることを示した場合は2/3以内に引き上げられます。
ここが最大の注意点です。通常枠の補助対象は、ソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)を必須とし、これに機能拡張・データ連携ツール・セキュリティといったオプションと、導入コンサルティングや導入設定、保守サポートなどの役務が加わる構成になっています。ハードウェアは含まれていないため、ドローン本体の購入費をこの制度でまかなうことはできません。対象になるのは、写真測量ソフト、点検画像の解析ツール、飛行データを管理するクラウドサービスといったソフトウェア側の費用です。
また、事務局にあらかじめ登録されたITツールの中からしか選べません。導入したいソフトウェアが登録されているかどうかは、公式サイトのITツール検索で事前に確認してください。加えて、汎用プロセスのみのソフトウェアは単体では申請できず、業務プロセスを持つソフトウェアを1種類以上含める必要があります。
活用事例としては、林業を営む有限会社天女山が3D GISツールとドローンを組み合わせ、森林調査にかける人員を約8割削減した取り組みが公式サイトで公開されています。ドローン単体ではなく解析ツールとセットで導入することで効果が出た例として参考になります。
デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠(中小企業基盤整備機構)
活用事例:有限会社天女山(デジタル化・AI導入補助金2026)
操縦者の資格取得に使える助成金
機体を導入しても、飛ばせる人がいなければ運用は始まりません。国家資格である一等無人航空機操縦士・二等無人航空機操縦士の取得に向けた訓練の受講料などは、所定の要件を満たせば厚生労働省の助成金の対象になる場合があります。助成の対象になり得るのは要件を満たす職業訓練の受講料や教材費などで、訓練を伴わない資格試験の受験料・検定料は原則として対象外です。
助成金は、採択件数を競う補助金とは仕組みが異なり、あらかじめ定められた支給要件に基づいて審査されます。対象となる事業主・労働者・訓練内容・申請時期のそれぞれに細かい要件があるため、受講先を決める前に管轄の労働局へ相談しておくと確実です。
資格制度そのものの内容や取得手順については、次の記事で詳しく解説しています。
ドローン(無人航空機)の国家資格の取り方や費用、免許制度についてわかりやすく簡単に解説
人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
事業主が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識・技能を習得させる訓練を計画に沿って実施した場合に、訓練経費と訓練期間中の賃金の一部が助成される制度です。10時間以上のOFF-JTが対象となるため、ドローンスクールでの操縦訓練もこの枠組みで設計できます。
ドローンスクールでの操縦訓練は、通常このコースの「人材育成訓練」に該当します。中小企業の場合、正規雇用労働者等を対象とした人材育成訓練の経費助成率は45%、有期契約労働者等を対象とする場合は70%です。賃金要件・資格等手当要件を満たすと、いずれも15%が加算されます。賃金助成は1人1時間あたり800円で、要件を満たす場合は200円が加算されます。なお、eラーニングと通信制による訓練は経費助成のみで、賃金助成の対象にはなりません。
このほか、新卒者等を対象とする認定実習併用職業訓練は45%、有期契約労働者等の正社員転換等を目的とする有期実習型訓練は75%、45歳以上を対象とする中高年齢者実習型訓練は60%です。ただし有期実習型訓練は支給申請日までに正社員転換を済ませる必要があり、操縦訓練だけを目的に選べる枠組みではありません。
受講者1人1訓練あたりの経費助成限度額は訓練時間数で区分されており、中小企業では10時間以上100時間未満が15万円、100時間以上200時間未満が30万円、200時間以上が50万円です。1事業所1年度あたりの助成限度額は1,000万円で、訓練の受講回数は労働者1人につき1年度3回までとされています。
なお中高年齢者実習型訓練は2026年4月8日に新設された訓練メニューです。ベテラン従業員にドローン操縦を習得させたい場合の選択肢として押さえておいてください。
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
新規事業の立ち上げなどの事業展開や、DX化・グリーン化に伴って必要となる知識・技能の訓練を対象とするコースです。中小企業の経費助成率は75%、賃金助成は1人1時間あたり1,000円で、人材育成支援コースより高い水準に設定されています。1人1訓練あたりの経費助成限度額は、中小企業で10時間以上100時間未満が30万円、100時間以上200時間未満が40万円、200時間以上が50万円、1事業所1年度あたりの上限は1億円です。
ドローンとの相性が良いコースでもあります。厚生労働省の詳細版パンフレットには、建設業がDX化による測量受注の拡大に対応するためドローンの操縦技術の講習を受講させる例や、農業で農薬散布をトラクターからドローンに切り替えてCO2削減を図るためドローンスクールに通わせる例が、対象となる訓練の具体例として挙げられています。自社の事業展開やDX化・GX化との結びつきを説明できる計画であれば、有力な選択肢になります。
ただしこのコースは令和4年度から令和8年度までの期間限定措置で、令和8年度末にあたる2027年3月31日での終了が予定されています。利用を検討している場合は、終了時期から逆算して計画届の提出時期を確保してください。
加えて、2026年8月3日付けの改正で取扱いが変更されています。同一の労働者が助成を受けられる訓練の受講回数は1年度3回までですが、このうちeラーニングによる訓練は1年度1回までに制限されました。またDX化・GX化に関する訓練のうち、職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のものや、職種を問わず職業人として共通して必要となる内容のものは助成対象外とされています。厚生労働省の資料では、汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練や、DXの概念やデータ活用の考え方を学ぶ訓練が対象外の例として挙げられています。
ドローン関連の訓練に当てはめると、「ドローンとは何か」「関連法規の概論」といった内容にとどまる研修は対象外と判断される可能性があります。自社の点検業務におけるドローンの運用手順や撮影データの処理方法など、担当業務にそのまま適用できる内容として設計し、その業務に従事する労働者を対象者に選ぶことが重要です。この改正には経過措置が設けられているため、詳細は最新の支給要領で確認してください。
どちらのコースも、訓練開始日の1か月前までに職業訓練実施計画届を都道府県労働局へ提出する必要があります。届出をしないまま訓練を始めた場合、助成の対象になりません。「スクールに申し込んでから助成金を調べる」という順序では間に合わないため、受講先を決める前に手続きの段取りを確認しておいてください。
事業展開等リスキリング支援コース 改正:令和8年8月3日からの変更点について
令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和8年8月3日版)
受講先の選び方については、次の記事もあわせて参考にしてください。
おすすめのドローンスクール10選!東京・神奈川のドローン教室を一挙紹介!
国の制度とあわせて確認したい自治体の補助金
国の制度のほかに、都道府県や市区町村が独自にドローン関連の補助制度を設けている場合があります。農業用ドローンの操縦技能の習得を支援する制度、生産性向上を目的とした設備導入を支援する制度など、対象と金額は自治体ごとに大きく異なります。
自治体の制度は国の制度に比べて公募期間が短く、予算の上限に達した時点で受付を終了することも珍しくありません。国の制度と併願できるかどうかの扱いも制度ごとに異なります。事業所の所在地を管轄する商工担当部署、または地域の商工会議所・商工会に問い合わせるのが確実です。
国の大型補助金は要件が厳しく採択率も高くありませんが、自治体の制度は金額が小さい代わりに要件が絞り込まれている場合があります。数十万円規模の投資であれば、まず自治体の制度を確認したほうが早いこともあります。
農業用途での導入を検討している場合は、機体の種類や運用方法を整理してから相談すると話が早く進みます。
農業用ドローンとは?種類や導入方法、メリットデメリット、活用事例をわかりやすく簡単に紹介
すでに終了した制度と後継制度の対応関係
ドローン補助金を扱う記事の多くは公開時点の制度を前提に書かれているため、現在は申請できない制度が現行制度として紹介されていることがあります。2026年8月時点では、次の対応関係を押さえておいてください。
・事業再構築補助金:第13回公募(2025年3月26日締切)をもって新規募集を終了しました。新規の応募はできません。新市場への進出を検討する場合は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が受け皿になります
・ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金):新事業進出補助金と統合され、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金へ移行しました
・IT導入補助金:2026年度からデジタル化・AI導入補助金に名称が変更されています
なお、事業再構築補助金の公式サイトは、すでに採択された事業者向けの手続き案内として引き続き運用されています。過去に採択を受けた事業者は、実績報告や事業化状況報告などの手続きが継続します。
ドローン補助金の申請から入金までの流れ
制度によって細部は異なりますが、国の補助金はおおむね次の流れで進みます。全体像を把握しておくと、どこに時間がかかるかが見えてきます。
・GビズIDプライムアカウントを取得する。取得には一定の期間を要するため、公募要領の確認と並行して着手する
・公募要領を読み込み、自社が申請枠の要件を満たしているかを確認する
・事業計画書を作成する。ドローン導入によってどの業務がどれだけ効率化し、付加価値額や賃金がどう伸びるかを数値で示す
・電子申請システムから応募申請する
・採択発表を受けたのち、交付申請を行い、交付決定を受ける
・交付決定後に発注・契約・支払いを行い、補助事業を実施する
・実績報告書を提出し、確定検査を経て補助金額が確定し、支払いを受ける
・補助事業終了後、数年にわたり事業化状況報告や効果報告を提出する
ここで重要なのは、補助金が支払われるのは補助事業の完了後だという点です。機体やソフトウェアの代金はいったん全額を自社で立て替える必要があり、採択から入金までには1年前後かかることも珍しくありません。金融機関との調整を含めた資金繰り計画を立てたうえで申請してください。
また、事業計画書は「ドローンを導入したい」という設備の話ではなく、「導入によって経営指標がどう変わるか」を説明する書類です。既存の作業時間、人件費、外注費といった現状の数値を先に整理しておくと、説得力のある計画になります。
ドローン補助金を活用する際の注意点
GビズIDの取得は早めに着手する
国の補助金の多くは電子申請のみを受け付けており、GビズIDプライムアカウントが必須です。アカウントの取得には一定の期間がかかるため、公募開始を知ってから手続きを始めると締切に間に合わないことがあります。ドローン導入を検討し始めた段階で取得しておくと安全です。すでに他の行政手続きで取得済みであれば、あらためて取り直す必要はありません。なお厚生労働省の助成金は書面での申請にも対応しているため、GビズIDが必須になるのは電子申請を選ぶ場合です。
交付決定前の発注は補助対象外になる
補助金は「これから行う投資」を支援する制度です。交付決定より前に発注・契約・支払いを済ませた経費は、原則として補助対象になりません。機体の納期や現場の稼働開始時期が決まっている場合は、公募スケジュールから逆算して発注のタイミングを設計する必要があります。急いで導入したい事情がある場合は、補助金の活用と導入時期のどちらを優先するかを先に決めておいてください。
他の補助金との併用可否を確認する
同一の経費に対して複数の補助金を重ねて受け取ることは、原則として認められません。加えて、同じ年度内に複数の国の補助金へ申請すること自体を制限している制度もあります。すでに別の補助金を利用している場合や、複数の制度への申請を検討している場合は、公募要領の併願・重複に関する規定を必ず確認してください。国の制度と自治体の制度の組み合わせについても、自治体側に扱いを確認しておくと安心です。
採択後も報告義務が続く
採択されて入金を受けた後も、実績報告や事業化状況報告といった手続きが数年にわたって続きます。制度によっては、事業計画で掲げた付加価値額や給与支給総額の目標が未達の場合に、補助金の一部または全額を返還する義務が生じます。採択されることだけを目的に背伸びした計画を作ると、後年になって負担が跳ね返ってきます。社内で報告業務を担当する体制まで含めて検討してください。
補助金の対象になりにくい運用コストも見込んでおく
補助金で手当てできるのは、原則として導入時の初期投資です。運用が始まってから毎月発生する費用は対象外になりやすく、ここを見積もっていないと導入後に採算が合わなくなります。
ドローン運用で継続的に発生する代表的なコストは次のとおりです。
・機体保険や賠償責任保険の保険料
・バッテリーやプロペラなどの消耗品の交換費用
・定期メンテナンスや機体点検の費用
・現場で撮影したデータを送信するための通信費
・取得したデータを保管するクラウドストレージの利用料
このうち通信費は、運用形態によって想定を大きく外しやすい費目です。ドローンポートを設置して遠隔・自動で運用する構成や、現場で撮影した高解像度の点検画像をその場でクラウドへ送る運用では、下り(ダウンロード)よりも上り(アップロード)の通信量が大きくなります。一般的な料金プランは下り中心の利用を前提に設計されているため、上りの通信が多い用途ではプランの選び方で月額が変わってきます。
法人向けのIoT回線であれば、用途に合わせて回線とプランを選び、必要な分だけ契約する運用がしやすくなります。株式会社CoeNova(旧DXHUB株式会社)が提供するIoTBiz SIMは、複数キャリアに対応し、1回線から契約できるサービスです。
主な特徴は次のとおりです。
・4キャリア対応(ドコモ・ソフトバンク・KDDI・楽天)
・1回線から契約可能で、最短翌日発送
・初回取引から売掛け対応(Paid決済)
・テストSIMの貸し出しに対応(最大1週間)
代表的な料金は、ドコモ回線の通常プランが1GB 450円/月から50GB 6,500円/月、上り方向の通信量が多い用途に向けた上り特化大容量プランが上り100GB 2,980円/月からです(いずれも税別)。
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まとめ
2026年度のドローン補助金は、制度の再編によって名称と枠組みが大きく変わりました。機体や設備への投資であれば新事業進出・ものづくり商業サービス補助金や中小企業省力化投資補助金、小規模な投資であれば小規模事業者持続化補助金、解析ソフトウェアであればデジタル化・AI導入補助金、操縦者の資格取得であれば人材開発支援助成金、というように「何に使うか」から逆引きするのが最短ルートです。
一方で、事業再構築補助金のようにすでに新規募集を終えた制度もあります。名称だけを頼りに探すと現行制度にたどり着けないため、公式サイトで最新の公募状況を確認する習慣をつけてください。
国内のドローンビジネス市場規模は2025年度に4,973億円(前年度比13.8%増)と推計され、2030年度には9,544億円に達すると予測されています。ドローンの利用実績がある企業の7割以上がすでに実証段階を終えて実装フェーズに入っているという調査結果もあり、点検・測量・農業・物流といった分野では活用が定着しつつあります。
制度は年度ごとに変わります。本記事の内容は2026年8月時点のものですので、申請前には必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
業種別の活用イメージや実際の導入現場を確認したい場合は、次の記事もあわせてご覧ください。