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有線LANが繋がらないのに無線は繋がる原因と対処法|切り分け手順を解説

有線LANが繋がらないのに無線は繋がる原因と対処法|切り分け手順を解説

3min

目次

無線が繋がるなら、まず有線側を切り分ける

同じルーター経由のWi-Fiでスマートフォンやノートパソコンがインターネットを使えているなら、少なくともそのWi-Fi端末からインターネットまでの経路は動作しています。そのため、家庭など有線と無線が同じルーター配下にある構成では、まずパソコンとルーター(またはスイッチングハブ)を結ぶ有線区間や、パソコン側のネットワーク設定から切り分けるのが効率的です。ただし、企業ネットワークでは有線と無線でVLANやゲートウェイなどが分かれていることがあり、無線が使えても有線側ネットワークまで正常とは限りません。

確認は次の3ステップの順に進めると、無駄な作業と手戻りを避けられます。

・LANポートのランプが点いているかを見る(物理的に繋がっているか)

・LANケーブルと挿し込むポートを入れ替える(どの部品が原因かを特定する)

・コマンドでIPアドレスを確認する(ルーターと通信できているか)

この3つを確認すると、物理接続・パソコン側・IP設定のどこを重点的に調べるべきか判断しやすくなります。ここで原因が分からない場合は、ドライバーやセキュリティソフト、オフィスであれば認証やDHCPといったネットワーク側の設定も確認します。

回線・ONU・インターネット側の優先度を下げてよい理由

家庭など、有線と無線が同じルーターや同じインターネット回線を共有している構成でWi-Fiからインターネットへ正常に接続できているなら、回線・ONU・ルーターのWAN側は少なくともWi-Fi通信については動作していると考えられます。そのため、有線だけが繋がらない場合は、有線区間やパソコン側の設定を先に確認するほうが効率的です。

このような状況では、最初からルーターやONUを再起動する優先度は高くありません。特にオフィスでルーターを再起動すると、無線で作業している同僚の通信まで一時的に止めるおそれがあります。有線区間を切り分けたうえで、ルーター側の不具合が疑われる場合に管理者の判断で再起動してください。

ただし例外として、オフィスでは無線用と有線用でネットワークが分けて設計されていることがあります。この場合は「無線が繋がる=有線側も正常」とは言えないため、社内ネットワーク特有の要因を後半で扱います。

最初に確認する3つのポイント

作業に入る前に、次の3点を押さえておくと原因の範囲がさらに狭まります。

・LANポートのランプが点灯しているか:消灯していればケーブルやポートといった物理的な問題の可能性が高くなります

・ほかのパソコンでも同じ症状が出るか:自分の1台だけならパソコン側、複数台ならルーターやハブ、ネットワーク側が疑わしくなります

・IPアドレスが正しく取得できているか:ルーターと通信できているかどうかの判断材料になります

特に「自分の1台だけか、全員か」は、その後の対処の分かれ目になります。オフィスであれば、まず隣の席の有線接続が正常かどうかを聞いてみるのが早道です。

有線LANだけ繋がらない主な原因

有線側を中心に原因を絞り込んだうえで、実際に確認したい要因を順に見ていきます。上から、確認しやすく切り分けに使いやすい項目を並べています。

LANケーブルの抜け・ツメ折れ・断線

もっとも多いのがLANケーブルまわりのトラブルです。コネクタのツメが折れていると、見た目は挿さっていてもロックがかからず、机の振動や配線の引き回しで少しずつ抜けていきます。NECのAtermのサポート情報でも、ケーブルは「カチッ」と音がするまで差し込み、軽く引いてロックがかかっていることを確認するよう案内されています。

経年劣化による内部断線は外観から判断できません。長年使い続けているケーブルや、椅子のキャスターで踏まれる位置を通しているケーブルは、正常な別のケーブルと交換して確かめるのが確実です。

また、ルーター側の挿し込み位置にも注意が必要です。一般的な家庭用ルーターには、パソコンなどを接続する「LAN」ポートと、ONUやモデム側へ接続する「WAN」「Internet」ポートがあります。パソコンは通常LANポートに接続します。WAN側に誤って接続すると、正常に通信できません。

パソコン側またはルーター・ハブ側のLANポートの故障

ケーブルに問題がなければ、次に疑うのはポートです。ルーターやハブのLANポートは通常複数あるため、別のポートに挿し替えて接続できるかどうかで判別できます。挿し替えて改善すれば、元のポートの故障と考えられます。

パソコン側のLANポートは1つしかないことが多く、そのままでは切り分けられません。正常な別のパソコンを同じケーブル・同じポートに繋いで通信できるかを確認すると、パソコン側かネットワーク側かを判断できます。

イーサネットアダプターの無効化・ドライバーの不具合

パソコン側でイーサネットアダプターが無効になっていると、ケーブルを挿しても通信できません。設定変更やトラブルシューティングの途中で無効になっていることもあるため、まずアダプターが有効かどうかを確認します。

ドライバーの不具合も同様です。特にノートパソコンで、USB接続のLANアダプターやドッキングステーション経由で有線接続している場合は、アダプター側のドライバーが原因になることがあります。この構成では、パソコン本体のLANポートではなくアダプターが問題の切り分け対象になる点に注意してください。

IPアドレスを取得できていない

物理的にリンクしていても、DHCPで必要なIP設定を取得できなければ、通常のインターネット接続はできません。DHCPを利用する環境で169.254.x.xが割り当てられている場合は、WindowsのAPIPA(自動プライベートIPアドレス指定)が動作しており、DHCPサーバーからIPv4アドレスを取得できていない可能性が高い状態です。APIPA同士であれば同一リンク内で通信できる場合がありますが、通常はルーターを越える通信やインターネット接続には利用できません。

一方、192.168.x.x、10.x.x.x、172.16.x.x〜172.31.x.xなどのプライベートIPアドレスが設定されていても、それだけでルーターまで通信できているとは断定できません。固定IPが誤って残っている場合もあるため、ipconfig /allでデフォルトゲートウェイやDHCPの状態を確認し、必要に応じてゲートウェイへの到達性も確認します。IP設定が妥当であれば、DNS、セキュリティソフト、ルーターや社内ネットワーク側の設定を続けて切り分けます。

過去に固定IPアドレスを設定したまま別のネットワークに繋いだ場合も、ネットワークの範囲と合わずに通信できません。この状態では「識別されていないネットワーク」と表示されることがあります。

IPv4とIPv6のどちらで通信しているかが関係するケースもあります。詳しい切り分けは次の記事で解説しています。

IPv4が繋がらないのにIPv6は繋がる原因と対処法|トラブル解決ガイド

有線に挿しても通信が無線側を通っている

見落とされやすいのが、有線が「繋がらない」のではなく「通信経路として選ばれていない」というケースです。Windowsは複数の経路が利用できる場合、ルートメトリックやインターフェイスメトリックを含むコストを基に経路を選択し、一般に値が小さい経路を優先します。

自動メトリックではリンク速度などに基づいて値が設定されるため、有線が無線より優先されることが多いものの、構成や手動設定によっては無線側の経路が選ばれる場合があります。このとき、有線ケーブルを挿していてもインターネット通信がWi-Fiを経由していることがあります。

切り分けるには、Wi-Fiを一時的にオフにして有線だけでインターネットへ接続できるかを確認します。これで繋がるなら、有線接続でも通信できています。Wi-Fiをオフにすると通信できなくなる場合は、有線側の物理接続、IP設定、認証、経路設定などを引き続き確認します。

なお、無線側で特定の1台だけが繋がらない場合の原因は、有線とは切り分け方が異なります。

Wi-Fiが一台だけ繋がらない原因とは?簡単に解決する方法を解説

セキュリティソフト・VPN・仮想アダプターの干渉

セキュリティソフトのファイアウォールが、新しく認識したネットワークの通信を制限することがあります。無線側のネットワークは許可済みでも、有線側が別のネットワークとして認識され、ポリシーによって通信が制限される可能性があります。

VPNクライアントや仮想マシンの仮想ネットワークアダプターが、ルーティングやDNS設定に影響して有線通信を妨げる場合もあります。VPNを切断した後も仮想アダプターや経路設定が残ることがあるため、切り分けの対象になります。

切り分けとしてこれらを一時的に無効にする方法がありますが、業務用パソコンでは社内規定に反する場合があります。会社支給の端末では、自己判断で無効化せず情報システム部門に相談してください。

VPNが繋がらないときの原因と対処法。切り分け手順から再発防止策まで解説

今すぐ試せる切り分け手順

ここからは実際の手順です。上から順に実施すると、原因を一つずつ消し込みながら進められます。複数の対処を同時に行うと何が効いたのか分からなくなるため、1つ試すごとに接続を確認してください。

手順1 リンクランプで物理的な接続を確認する

LANケーブルを挿した状態で、パソコン、USB-LANアダプター、ルーター、スイッチなどにリンクランプが搭載されている場合は、その表示を確認します。リンクランプは物理的な接続状態を確認する手がかりになり、消灯している場合はケーブル、ポート、アダプターなどの物理層を優先して確認します。

アイ・オー・データの「ETG2-DR」では、LANポートランプの状態が次のように定義されています。以下は同製品の例であり、色や意味は機器によって異なります。

ランプの状態示している状態次に確認すること
消灯リンクしていないケーブルの交換、別ポートへの挿し替え、アダプターの有効化
緑の点灯・点滅ETG2-DRでは1000BASE-Tでリンク中・通信中物理層は正常。IPアドレスの取得状況を確認する
オレンジの点灯・点滅ETG2-DRでは10BASE-T/100BASE-TXでリンク中・通信中通信は可能。速度が出ない場合はケーブルの規格や劣化を確認する

ランプの色や点滅の意味はメーカーや機種によって異なります。下表を一般的な規格として扱わず、実際の判断では利用中の機器の取扱説明書やサポート情報を確認してください。

手順2 LANケーブルとポートを入れ替える

ランプが消灯している場合、次の順で1つずつ条件を変えて原因を特定します。同時に複数を変えないことがポイントです。

・正常に使えている別のLANケーブルに交換する

・ルーターやハブの別のLANポートに挿し替える

・スイッチングハブを経由している場合は、ハブを外してルーターに直結する

・正常な別のパソコンを、同じケーブルと同じポートに接続する

最後の項目で別のパソコンが問題なく繋がるなら、ケーブルもポートも正常で、原因は自分のパソコン側にあると判断できます。逆に別のパソコンでも繋がらなければ、ケーブルかポート、あるいはその先のネットワーク側が原因です。

手順3 ipconfigでIPアドレスの状態を読む

ランプが点灯していて物理的には繋がっているのに通信できない場合は、IPアドレスを確認します。コマンドプロンプトを開き、ipconfig /all と入力して実行すると、イーサネットアダプターに割り当てられたIPv4アドレスが表示されます。

表示されるIPv4アドレス状態対処
192.168.x.x、10.x.x.x、172.16〜31.x.xなどIP設定が入っている。ただし、ルーターへ到達できるとは限らないデフォルトゲートウェイ、DHCPの状態、固定IPの有無を確認し、必要に応じてゲートウェイへの到達性を確認する
169.254.x.xDHCP利用環境では、DHCPからIPv4アドレスを取得できずAPIPAになっている可能性が高いケーブル・ポート・認証・DHCP側を確認する。自動取得設定なら ipconfig /release、ipconfig /renew で再取得を試す
IPv4アドレスが表示されない/「メディアは切断されています」物理リンク未確立、アダプター無効、ドライバー不具合などの可能性があるリンクランプ、ケーブル、ポート、アダプターの有効状態、ドライバーを確認する
意図しない固定の値過去に設定した固定IPが残っている可能性がある社内指定を確認したうえで、必要なら自動取得または正しい指定値へ戻す

固定IPから自動取得へ切り替える際は注意が必要です。企業ネットワークでは固定IPを前提に運用していることがあり、自動取得へ変更すると逆に接続できなくなる場合があります。変更前に現在の設定値を必ず控えておいてください。

手順4 アダプターを再有効化し、ネットワークコマンドを試す

キーボードのWindowsキーとRキーを同時に押し、ncpa.cpl と入力すると、ネットワーク接続の一覧が開きます。ここでイーサネットのアイコンが灰色になっていれば無効の状態です。右クリックして有効にし、接続を確認します。

有効になっているのに改善しない場合は、いったん無効にしてから再度有効にすると復旧することがあります。それでも変わらなければ、管理者権限のコマンドプロンプトで netsh winsock reset と netsh int ip reset を順に実行し、パソコンを再起動します。Microsoftも、イーサネット接続のトラブルシューティングでWinsockやTCP/IPスタックをリセットする手順を案内しています。

これらのコマンドはWinsockやTCP/IP関連の設定をリセットするため、固定IPなど個別のネットワーク設定を利用している場合は事前に設定内容を控えてください。Windowsの「ネットワークのリセット」は、ネットワークアダプターとその設定を削除して再インストールする、より影響の大きい操作です。Microsoftは最後の手段として案内しているため、業務用パソコンでは情報システム部門へ確認してから実施するのが安全です。

手順5 ドライバーを更新・再インストールする

デバイスマネージャーを開き、ネットワークアダプターの項目にイーサネットアダプターが表示されているかを確認します。黄色い警告マークが付いている場合は、ドライバーやデバイスの問題が疑われます。更新で改善しなければ、ドライバーをアンインストールしてパソコンを再起動する方法もあります。再起動後にWindowsがドライバーを自動的に再インストールすることがありますが、自動で入らない場合に備え、あらかじめメーカー提供のドライバーを用意しておくと安全です。

スリープからの復帰後に限って繋がらない場合は、アダプターのプロパティにある電源管理の設定も確認してください。電力節約のためにデバイスの電源を切る設定が有効になっていると、復帰時に正常にリンクし直せないことがあります。

より確実にドライバーを新しくしたい場合は、パソコンメーカーやアダプターメーカーの公式サイトから、機種に対応した最新版を入手して適用します。

オフィスで自分のパソコンだけ有線が繋がらないときに疑うこと

ここまでの手順で解決しない場合、法人のネットワークでは家庭とは異なる要因が関係している可能性があります。いずれも利用者側では変更できない領域のため、情報システム部門やネットワーク管理者への相談が前提になります。

802.1X認証・認証VLANで接続がブロックされている

IEEE 802.1Xは、LANに接続する端末を認証して、許可された端末以外をネットワークに参加させないための規格です。有線と無線のどちらにも利用でき、法人向けのスイッチやアクセスポイントで広く使われています。無線側は接続プロファイルが配布済みで認証を通過できる一方、有線側の設定や証明書が揃っていないために有線だけが弾かれる、という状況が起こり得ます。

マイクロソフトの技術情報によれば、802.1X認証の問題の多くは、クライアントまたはサーバーの認証に使う証明書に起因します。証明書が無効である、有効期限が切れている、チェーンの検証に失敗している、といったケースです。有線接続の認証の記録は、イベントビューアーのWired-AutoConfigの操作ログに残るため、管理者はここから原因を追えます。

利用者としては、ケーブルを挿した直後に一時的に接続が確立し、数秒後に切断されるといった挙動があれば、認証で拒否されている可能性を管理者に伝えると切り分けが早く進みます。

DHCPのアドレス不足・固定IPの重複

DHCPサーバーが配布できるIPアドレスの範囲を使い切っていると、新しく接続した端末だけがIPアドレスを取得できません。来客や一時的な増員で接続端末が増えた直後に発生しやすい症状です。無線と有線でセグメントが分かれている環境では、有線側だけアドレスが枯渇していることもあります。

また、別の端末やプリンターと同じ固定IPアドレスが割り当てられている場合も、通信が不安定になったり接続できなくなったりします。手順3で自動取得を確認しても改善しないときは、この可能性を管理者に確認してもらってください。

スイッチのポート設定やハブの増設が影響している

法人向けのスイッチでは、ポートごとに所属するVLANを指定したり、接続できる端末のMACアドレスを登録制にしたり、未使用ポートを無効にしたりといった制御が行われています。座席移動やレイアウト変更で挿し込むポートが変わると、それまで使えていた設定と合わなくなることがあります。

フリーアドレス制のオフィスでは、ポートと端末が1対1で対応しなくなるため、ポート単位の制御では対応しきれず、認証方式の見直しが必要になった事例も報告されています。

ポートが足りないからと個人の判断でスイッチングハブを追加するのも避けるべきです。管理外の機器の接続はセキュリティ上の問題になるほか、ネットワーク構成によっては通信障害の原因にもなります。配線の変更が必要な場合は必ず管理者に依頼してください。

復旧までの業務を止めないための代替回線

社内ネットワークの調査や機器交換を待つあいだも、Wi-Fiに切り替えられる端末は作業を続けられます。困るのは、Wi-Fiアダプターを持たないデスクトップパソコンや、有線接続しか使えない業務機器が止まってしまう場合です。

株式会社CoeNovaが提供するWiMAX+5G無制限プランのホーム端末「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」には、有線LANポートが2つあります。Wi-Fiを使えないパソコンや機器を、社内LANとは別の回線にLANケーブルで直接つなげます。そのため、有線区間の復旧を待たずに業務を再開できます。

データ容量は無制限です。代替回線でWeb会議やクラウドへのファイル同期を続けると、通信量は増えやすくなります。この回線なら、容量上限による速度制限を気にせず使えます。

1回線から契約でき、支払いは売掛け(Paid決済)に対応しています。止まっている1台・1拠点の分だけを、通常の購買手続きで手配できます。

サービスの詳細や申し込みは以下から確認できます。

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IoTBiz編集部は、京都の通信事業者・株式会社CoeNovaが運営するIoT・通信・AI専門メディアの編集チームです。CoeNovaは2015年から、訪日旅行者向けSIMや民泊向けWi-Fi、IoT向け回線などの通信サービスを自社で提供しています。その運用で得た知見をもとに、Wi-Fiの接続トラブル、SIM・モバイル回線、生成AIの業務活用まで、法人・個人の「困った」を解決する情報をお届けしています。

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